フローリング施工マニュアル
本マニュアルは、スカンジナビアン・ハウジングが供給するフローリングを適切に施工するための標準仕様書です。天然木の特性を活かした美しい仕上がりと、長期にわたる安定性を確保するため、施工前に必ずお読みいただき、記載事項を厳守してください。
1. 施工前の準備・現場環境の確認
① 製品の現場養生(環境への順応)
天然木は周囲の温度・湿度を吸収・放出して伸縮します。
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搬入時期: 現場の湿気(クロス貼り、左官工事、基礎のコンクリート等)が十分に乾燥してから搬入してください。雨天時の搬入・開梱は厳禁です。
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現場順応: 施工する部屋にパッケージのまま平積みにし、48時間以上(冬季は1週間以上)現場の環境になじませてください。
② 仮並べ(割付と選別)
天然木特有の色調の濃淡や木目・節などの表情(キャラクターマーク)には個体差があります。
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施工前に複数のケースから製品を取り出し、必ず仮並べを行ってください。
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色調や木目のバランスを考慮し、部屋全体に均等に分散するように配置を決定してください。
- 施工後の色調・木目に関するクレームには対応いたしかねますので、必ず施工前にご確認ください。
2. 下地条件の確認
下地の良し悪しは、施工後の床鳴りや不陸(凹凸)、床材の変形に直結します。施工仕様に合わせて以下の条件を必ず満たしてください。
【一般施工(木下地・捨貼合板)の場合】
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下地材: 厚さ12mm以上の構造用合板(JAS規格品・耐水合板)を根太に十分固定してください。
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含水率: 下地合板の含水率は12%以下であることを確認してください。下地が湿っていると、施工後にフローリングが湿気を吸って突き上げる原因になります。
【床暖房施工の場合】
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下地材: 床暖房パネルの上に、厚さ12mm以上の耐水合板を必ず捨て貼りしてください。
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固定方法: 捨て貼り合板は接着剤と釘を併用して固定します。その際、温水パイプや配線を絶対に傷つけないよう、必ず「小根太(床暖房パネルの芯材部)」の部分を狙って釘留めしてください。
【コンクリート下地(直貼り施工)の場合】
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下地の状態: コンクリート(またはモルタル)下地は平滑であり、レイタンス(表面の脆弱層)や突起物がないことを確認してください。
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乾燥状態: 原則としてコンクリートが十分に乾燥している(水分が抜けている)ことが条件となりますが、新築時などで乾燥が不十分な場合は、次項に定める特殊な接着施工(モイスチャーバリア施工)を必ず行ってください。
【全下地共通の確認事項】
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平滑さ(不陸): 3mの直線に対して3mm以内の平滑さを確保してください。段差や隙間がある場合は、アテ木や削り調整、パテ補修、コンクリートの場合はレベリング材等での調整を行ってください。
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清掃: 接着不良や床鳴りの原因となるため、下地表面のゴミ、ホコリ、油分は完全に清掃・除去してください。
3. 推奨接着剤および固定方法
製品の安定性を保ち、環境配慮と床鳴り防止を両立させるため、以下の工法を厳守してください。
① 推奨接着剤の選定
[標準・床暖房施工時]:Bonaシラン系接着剤
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特長: 水や溶剤を含まないため、接着剤の水分による木材の膨張・変形トラブルを防ぎます。また、硬化後も優れた弾性を維持するため、木材の自然な伸縮を優しく吸収し、床鳴りを長期にわたって防止します。
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塗布方法(床暖房時は特に重要): Bona推奨のクシ目コテを使用し、下地にムラなく全面塗布してください。全面に塗布することで、床暖房の熱伝導を均一にし、空隙による床鳴りや床材の浮きを強力に抑制します。1回あたりの塗布範囲は、接着剤のオープンタイム(可使時間)内に貼り終える面積にとどめてください。
- 無垢ダグラスの施工には、クシはBona 1500Fまたは1500Gを使用し、Bonaカンタムを1500g/㎡、その他の複合フローリングや3層フローリングの施工には、クシはBona 1250Fまたは1250Gを使用し、Bona 820または848を1250g/㎡塗布し、全面接着してください。
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注意: 酢酸ビニール系や水性エマルジョン系(木工用ボンド等)は、製品の変形や接着不良の原因となる場合があるため使用しないでください。
[コンクリート直貼り施工(下地の乾燥が不十分な場合)]:
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特長: コンクリート下地の乾燥が不十分な場合(含水率が高い場合)は、必ず無溶剤型「Bonaシラン系接着剤」をご使用ください。
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塗布量と効果: Bonaカンタムを1500g/㎡以上(Bona 820または848の場合はBonaコテPlusを使って2000g/㎡)、ムラなく下地全面に塗布してください。この厚みを持たせた確実な全面塗布により、下地からの湿気の上昇をブロックする「モイスチャーバリア(防湿層)」の効果が発揮され、湿気によるフローリングの反りや変形トラブルを未然に防ぎます。
② 固定方法
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木下地・床暖房施工時(釘留め併用): フローリング施工時は、接着剤をクシ目コテで全面塗布した上で、必要に応じてフローリング用釘またはステープルを併用して固定してください。実(サネ)の雄実(オザネ)の根元から45度の角度で斜め打ちし、釘のピッチは150mm〜200mm間隔を目安とします。
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コンクリート直貼り施工時(接着剤固定): コンクリートへの直貼りでは釘留めができないため、接着剤のみによる固定となります。床暖房と同様に熱伝導を均一にし、空隙による床鳴りや浮きを防ぐためにも、必ずクシ目コテを用いた全面塗布を徹底し、床材をしっかりと下地に圧着させてください。
4. 貼り付け・施工手順
① 基準線の墨出し
部屋の長手方向に基準線(中心線または壁際からの平行線)を引き、全体の割付(端部に極端に細い端材が入らないか)を確認します。
② クリアランス(逃げ目地)の確保
天然木の伸縮(特に床暖房による乾燥や、夏季の湿気による膨張、下地からの湿気影響)を吸収するため、以下のクリアランスを必ず設けてください。これを怠ると、「突き上げ(盛り上がり)」の原因となります。
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壁際・柱まわり: 壁や柱、掃き出しサッシ等のすべての固定物との間に、8mm〜10mm程度の隙間(クリアランス)を空けてください。この隙間は最終的に巾木や見切り材で隠します。
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サネの締め具合: フローリング同士を強く叩き込みすぎないでください(目安として名刺1枚が軽く入る程度のゆとりを持たせて順次施工してください)。
③ 圧着
フローリングを貼り付けた後は、当て木をして軽く叩き込み、接着剤が下地とフローリングの裏面にしっかり転写するよう、上から十分に荷重をかけて圧着させてください。特に釘を併用できないコンクリート直貼りの場合は、この圧着作業が接着強度を左右するため丁寧に行ってください。
5. 施工後の養生と注意点
① 接着剤の硬化待ち
施工後、接着剤が完全に硬化するまでの24時間は立ち入り・歩行を避け、重い荷物や工具を置かないでください。
② 養生シート・ボードの敷設
傷や汚れを防ぐため、施工後は速やかに養生を行ってください。
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手順: フローリング表面の清掃(ホコリの除去)を行い、養生シート(透湿性のあるもの)を敷いた上から、厚手の養生ボードを敷き詰めてください。
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【重要】粘着テープ直貼りの厳禁: 養生テープなどの粘着テープを、フローリングの表面(塗装面)に直接貼ることは絶対に避けてください。 テープを剥がす際に、天然木の表面を傷めたり、塗装が剥離したりする原因となります。テープは必ず養生ボード同士の固定にのみ使用してください。
③ お引渡しまでの室内管理
引き渡しまでの間、現場が著しい高温・多湿、または過度な乾燥状態(直射日光の当たりっぱなし等)にならないよう、定期的な換気や遮光(カーテンやシートでの日よけ)を行ってください。
