コンテンツへスキップ

カート

カートが空です

【デンマークの暮らし】家族、地域、そして「ボランティア」が支える、デンマークのユニークなスポーツ文化 (Foreningsliv)

【デンマークの暮らし】家族、地域、そして「ボランティア」が支える、デンマークのユニークなスポーツ文化 (Foreningsliv)

Scandinavian Housingでは、私たちがご提案する北欧のデザインや資材だけでなく、
デンマークの日常に流れる文化についても積極的にお届けしています。

今回は、デンマークの若者たちのライフスタイルを語る上で欠かせない最も重要な概念をご紹介します。
それが、「Foreningsliv(フォーエニングスリウ=地域クラブ・協会文化)」です。
これは、幼い頃から人と人とのつながりや、社会性を育むための基盤となっています。

デンマークの少年少女スポーツにおける、週末の日常風景

先日、地元オーベンロー(Aabenraa)のU14女子サッカーチームの試合が行われました。
会場となったのは、地域にある緑豊かな天然芝のピッチです。


芝生の上にみんなで集まり、円陣(ラウンド)になって座っている子どもたちの姿をご覧ください。
彼女たちは非常にリラックスした様子で、コーチの話に耳を傾けています。
これは、デンマークのスポーツ界における極めて日常的で、典型的な風景です。 形式張らず、居心地が良く、地域社会が一体となったライフスタイルの本質(エッセンス)が、この一枚に凝縮されています。

日本の「部活動 (Bukatsu)」との根本的なシステムの違い

日本には、高い規律と一体感を持つ素晴らしい「部活動」の文化があります。
しかし、デンマークのスポーツ環境は、そのアプローチが根本から異なります。
デンマークにおけるスポーツクラブは、学校から完全に独立した「地域のクラブ組織」です。 そのため、学校の校舎やグラウンドは、クラブの活動とは一切関係がありません。
最も特徴的なのは、クラブの運営や指導のほぼすべてがプロフェッショナルによるものではない点です。 地域の住民や保護者たちによる、完全な「ボランティアベース」で成り立っています。


年間わずか17,500円で、誰もが公平にスポーツを楽しめる環境

多くの国では、本格的なスポーツクラブに加入すると高額な費用がかかることが珍しくありません。 しかし、デンマークの哲学は「すべての人が等しく参加できること」です。
例えば、今回ご紹介したU14サッカーチームの年会費(メンバーシップ費用)は驚くほど低価格です。 なんと、年間でわずか17,500円(約800〜900デンマーク・クローネ)程度しかかかりません。
この価格は、誰もが経済的な障壁なく、スムーズにスポーツを始められるように設定されています。 家庭への重い経済的負担をかけることなく、子どもたちは純粋にスポーツを謳歌できるのです。


報酬は一切なし。完全なボランティアとして子ども等を支えるコーチ陣

「そんなに低い会費で、どうやってクラブが運営できるのか?」と疑問に思うかもしれません。 
その答えは、子どもたちを指導するコーチたちの「心」にあります。
指導を行うコーチ陣は、完全にボランティアとして活動しています。 
グラウンドで過ごす多くの時間に対して、給与や金銭的な報酬は一切支払われません。


支給される可能性があるのは、遠征試合の際の最低限のガソリン代(交通費)のみです。
彼らを動かしているのは、純粋な「地域社会への貢献」と「子どもたちの健やかな成長への願い」だけなのです。


地元の小さな企業や店舗が、ユニークなスポンサーとしてユニフォームを寄付

子どもたちが着用しているお揃いの黄色のユニフォームにも、地域との強い絆のストーリーがあります。
このユニフォーム代金も、保護者が全額負担しているわけではありません。
地域の地元の会社や個人商店がスポンサーとなり、無償で寄付・提供してくれたものです。 街のパン屋さん、大工さん、あるいは小さなスーパーのロゴが、誇らしげにシャツに刻まれています。
ここには、地域全体が一体となって次の世代を育てようという、温かい循環が生まれています。 地元のビジネスが、子どもたちの未来を支える強力なサポーターになっているのです。


上下関係のない、フラットで対等なコミュニケーション

デンマークの文化を色濃く反映するように、コーチと子どもたちの関係性は非常にフラット(平等的)です。 厳格で少し軍隊的な雰囲気を持つ伝統的なスポーツクラブとは、対極の位置にあります。
そこには、威圧的なトップダウンの命令系統は存在せず、常に uformel(カジュアル)な対話がベースです。 お互いの人間性を尊重し合う、フラットな信頼関係が築かれています。
そして活動において、最初から最後まで最も優先されるのは、シンプルに「楽しむこと(Having fun)」です。 子どもたちは楽しんでいる時こそ、最も早く学び、健康を維持し、自信を育むことができるからです。


「Hygge (ヒュッゲ)」の精神:
ピッチ内外で見られる、敵味方を超えたリスペクト

試合終了のホイッスルが鳴ると、焦点は「競争」から「つながり」へとシフトします。
勝負の時間は終わっても、お互いへの敬意は、より鮮明に表れます。



試合が終われば、選手たちはチームメイトだけでなく、対戦相手や審判とも満面の笑みでハイタッチを交わします。 
この光景こそが、デンマークのジュニアスポーツを定義する、最高の瞬間です。
この「みんなで一緒に楽しむ、心地よい空間」を、デンマーク人は「Hygge(ヒュッゲ)」と呼びます。


Foreningsliv (クラブ文化) の精神と、北欧デザインの繋がり

このユニークな社会のあり方は、デンマークのデザインや建築思想の根底にあるものと完全に一致しています。 私たちが手がける住宅や資材が持つ「温かみ」「シンプルさ」「優しさ」は、このライフスタイルから生まれているのです。
Scandinavian Housingは、単に高品質な輸入建材や家を提供するだけの会社ではありません。 人と人とのつながりを何よりも大切にする、デンマークの豊かなライフスタイルを日本へお伝えしたいと考えています。
住まいとは、こうした家族や大切な人との心地よいウェルビーイング(幸せな時間)を支えるための「器」であるべきです。 デンマーク文化の深い価値観を、私たちと一緒に探求していただきありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

Read more

Proof of Origin:あなたのお部屋の床材が育った「正確な故郷」をご存知ですか?

Proof of Origin:あなたのお部屋の床材が育った「正確な故郷」をご存知ですか?

真のラグジュアリーとは、卓越した職人技と、本物のストーリーの融合であると私たちは信じています。私たちが誇りを持ってパートナーシップを結んでいるブランドの一つが、ドイツのメーカーPur Natur(www.purnatur.com)です。

もっと見る
空間の美学と静寂をデザインする:オープンプラン住宅から商業空間までの音響設計

空間の美学と静寂をデザインする:オープンプラン住宅から商業空間までの音響設計

日本の伝統建築において、障子や畳、引き戸といった自然素材は、光を取り込むだけでなく、音を柔らかく吸収し、静けさに満ちた空間を生み出してきました。しかし、現代の建築デザイン(一戸建てから商業施設に至るまで)は、コンクリート打ちっぱなし、ガラス、ハードウッドフロア、そしてオープンプランのレイアウトへと進化しています。その結果、新たな課題として「不快な反響音(エコー)」が生じるようになりました。今...

もっと見る